好天の河川敷は賑やかです。親子連れでの凧あげやカップルの散歩など、普段は足を運ばない人がたくさんいました。
一方、猫たちはそんな賑わいを避けた場所でひっそりと生きています。今日、立ち寄った場所も雑草や雑木橋の中です。夏はうっそうと茂り、人の背丈以上ほどある雑草も今は枯れているものが多く、夏と比べれば随分と見通しが良いのですが、これが困ったことに猫にとって大きな災難となる場合もあるのです。虐待や、そこまでいかなくても不届きな犬の飼い主のマナーの悪さから猫がとんでもない事態に追い込まれる事もあったりする訳です。
ここにも複数の猫がいますが、以前はここにおぃちゃんがいて面倒を見て下さっていたのですが、河川敷で倒れているところを発見され、今は施設に入所されています。
あれから早3年が経ちました。その後はここに通ってお世話を続けておられる方の心温かいお志のお蔭でここの猫たちは生きていくことができています。
そんな事もあり、先月26日に都内の施設まで出向き、その時のおぃちゃんを訪ねてみました。多摩川にいた頃と比べれば随分と太っていて、顔色も良くお元気そうでした。
3年ぶりにいろいろ懐かしいお話しもできておぃちゃんも嬉しそうでした。寒くて足ががたがた震えながらも私と2人で話し込んだ冬の河川敷の夕方。蒸し返すような酷暑の夏の夜には蚊に刺されながらも地面に小さなランプと蚊取線香をを置いての猫談義。
・・・などなど、施設では限られた時間でしたが、おぃちゃんとの有意義なお話ができました。末永くお元気で暮らして頂きたいと心から願いました。
多摩川に捨てられた猫が命を繋ぐことのできる要因はこうした慈悲深いおぃちゃんやおばちゃんによって成り立っている場合がその殆どです。私が持参した、おぃちゃんがまだ猫と河川敷で暮らしておられた頃の写真を見て下さいました。
私はこの写真を数年後かに写真展・他で第三者の前で展示したいと思うのですが・・と問うと、二つ返事で快く了承して下さいました。そして、「肖像権使用同意書」にサイン・捺印して下さいました。 写真には猫と無表情のおぃちゃんが写っています。「無表情」とはいっても、やはり「表情」といったものは「無」ではなく、それなりにある写真です。私も誰もいない、まさに『普段』の猫とおぃちゃんの写真が私のいる前で撮れたのです。
これには「おぃちゃん、ありがとう」と言う他ありません。
東京都日野市~多摩市~府中市を移動しました。
I.M. 2016.01.03(日) 07:37 修正
明けましておめでとうございます。
今年も新年早々、河川敷の命たちのために休みなく活動されて。本当にありがとうございます。
すべての命が穏やかに過ごせる社会になるよう、祈っております。
小西さんご夫妻も、どうかお体に気を付けてお過ごしくださいませ。