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多摩ねこ日記~1055

2016.03.25

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多摩川にはレンマという猫が存在していたことがあります。時期によって違いはあれど、常に20数匹の猫がいてレンマはその中のボスでした。辺りは天気さえ良ければ一日中人通りの多い場所、朝から夕暮れまで幾多の人が行きかいます。当然のことながら犬の散歩も多く、その中にはそこにいる猫にわざわざ犬を近づけたり、人によってはリードを外して猫を追わせる輩もいたのです。そういった犬に限ってもともと躾が不十分で気荒な性格なのです。

レンマは自らが災難を受けなくても、仲間の猫が嫌がらせを受けているのが目に入ると即効でその犬に立ち向かっていました。自分よりは何倍もある犬に真正面から攻撃を加えます。犬も興奮して反撃を試みますが、レンマは一歩も引くことはありませんでした。
私がそれを初めて見たときは驚きましたが、以来幾度となく目にすることになります。柴犬や甲斐犬、小型~大型犬、勝負は短時間で決します。そしてレンマは過去一度も負けたことがありません。

とはいえ相手は犬、完全に無傷という訳にはいきません。そんな訳でレンマはいつも生傷の絶えない猫だったのです。

2006年3月24日、20数匹の猫のうちレンマを含む9匹の猫が毒殺されたのです。その日の夜から次々と口から泡を吹いてケイレンしながら息絶えていったのです。9匹のうちで最後に死んだのがレンマだったそうです。
翌朝25日、朝5時頃におぃちゃんの膝の上で苦しみながら息絶えたそうです。(今日がレンマの命日です)
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過去に写真展などでレンマの写真を前に「犯人はどうなったのか」「誰なのか」というご質問を受けたことがありましたので、ここで少し書いておきます。

2006年3月24日、いつものようにレンマのおばちゃんは目の前にいる複数匹の猫に目を配っていたところ、たくさんの人が行きかう中で20代のカップルが腰を下ろし、おばちゃんの方に背を向けて猫に何かを食べさせていたのです。おばちゃんは「ご飯をあげてくれてるのね、ありがとう」と言ったのだそうです。カップルは振り向くことなく無言。いつの間にはカップルは姿を消し、その直後から毒入りフードらしきものを食べた猫の異常に気付いたのです。結果は上記のとおり、毒物に間違いありません。

約一週間後、再びそのカップルが姿を見せ、また猫に何かを与えようとしていたところがおばちゃんの目に入ったのです。
すかさず「猫にご飯をあげないで」と叫んだのです。2人は無表情のまま立ち去ったそうです。おばちゃんは直に怪しい物を与えている場面を見ていないので事件のことは2人に対しては言えなかったのだと言います。

しかし、おばちゃんとしては確信があったのでその2人が歩いて立ち去る行方を見ていたのです。カップルは少し離れた場所にある橋を渡り対岸に渡ったところまで目で追っています。

当時その橋の渡り詰めの所には10匹余りの猫がいました。20代のカップルはそこでも猫に毒物を仕込んだようです。7~8匹の猫が犠牲になったのです。
レンマのおばちゃんがそのことを知ったのは事件が起きてしばらく経ってからの事でしたが、日にちを逆算するとピタリと当てはまるのです。男は背が高く、耳にピアスをしていたようですが、それっきり犯人は不明のままです。
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写真の説明 (修正部分が多くて、ごめんなさい)

レンマ・他の面倒を見ておられたおぃちゃんとおばちゃんは河川敷に住まわれていましたがホームレスの方ではありません。

おぃちゃんは身勝手な飼い主の犬に負わされたレンマの傷の手当てをしています。2014年2月に逝去されました。

おばちゃんはいつもまめに猫のお世話をされていました。膝の上に子猫を乗せて耳のダニ掃除をしています。2013年1月にお亡くなりになりました。

在りし日のレンマ-2004年撮影

レンマの母猫ミケ、現存。

※レンマは実はシロという名前がありましたが、レンマの事をよく知っている方々は百戦錬磨からその名を呼んでいました。レンマについては徹夜で書いても事足りないのくらいの武勇伝がありますので、またの機会にしたいと思います。

コメント一覧

I.M. 2016.03.25(金) 08:15 修正

そうでしたか、レンマの命日。
レンマやフウマ、アカ、サツキ、ハンペラ一族などなど。
小西さんから教えていただいた猫たちの中でも、遺棄された上に人の手により命を奪われるという、二度の恐怖を味わった猫たち。
日常に流され、ついつい記憶の片隅に追いやられがちな命たちのことを、今一度しっかりと胸に刻み不幸の連鎖が断ち切れるよう、お祈りいたします。

ミミチロ 2016.03.25(金) 14:47 修正

とても心が痛みます。
でも小西さんを始めおいちゃん、おばちゃん達が猫達を支えてくださるのが救いです。
レンマ達の冥福を祈り今後ひどい事が起こらないよう願ってます。

ハルオ 2016.03.25(金) 20:44 修正

はじめまして。
レンマ、男前な猫ですね。
今も存命であれば…と思わずにいられません。
武勇伝、いつか聞かせてくださいね。

ロビ Mail 2016.03.25(金) 21:33 修正

「レンマ」は勇敢な猫だったのですね。ボスの中のボス。弱者を助け強者に向かっていく。
小西さんは沢山の猫達と出逢い、別れ、特に忘れられない猫達の中「レンマ」がいて、悔しかったり辛かったりした思いが小西さんを奮いたたせているのだと。勝手に思っております。
武勇伝、ぜひ聞かせて下さい。
「レンマ」を、私も忘れません‥。

追伸。
「猫ブーム」私も危惧しております。
テレビではかわいいばかりをあおっていますが、もっと他に伝えなければいけない事があるのでは?と。
小西さんの言う「動物後進国」‥ますます後進していくのでしょうか。
「前進国」に変わっていくことを願います。

ひろりん 2016.03.26(土) 00:02 修正

レンマ、かっこ良過ぎです。
それにしても、何と言う、かわいそうな最後となってしまったのでしょうか…。
心から、レンマを始め、犠牲になった多摩猫たちのご冥福をお祈りいたします。
もう、数年前の話になりますが、私にもかわいがっていた「地域猫」がおりました。兄弟思いの、活発で頭の良い猫でしたが、ある日、この猫も毒殺されてしまいました。
犯人は、近所の方々のお話から目星は付いておりましたが、その者に、何より証拠を突き付けることが出来ませんでしたので、なす術もなく、只々、自分の無力さに涙をこらえきれない日々を送っていた時期がありました。

レンマの無念…。
限られたことかもしれませんが、私達に出来ることから始めて行くしかありませんね。

ねこやしき Mail 2016.03.26(土) 19:17 修正

小西さん、レンマの事、お話くださり、ありがとうございます。
レンマは独特の風貌をしていますね。真にボス然としています。
たくさんの猫たちを殺した恐ろしいカップル… 
「人は自分の撒いたものを刈り取る」といいます。つまり、自分の撒いた悪は自分自身にやがて帰ってくる(誰に気づかれなくとも)ということです。
かたや小西さんご夫妻をはじめおいちゃんやおばちゃんたちのように、ご自分の持つあらゆるものを費やして猫たちを顧みてくださる優しい人たちには、素晴らしい報いが必ずあります。

みっちろ Mail 2016.03.27(日) 16:05 修正

レンマ、「ジャパンタイムス」に大きく載ったレンマの写真の深い表情が、心にありありと。思う度今も、涙が溢れます。本当に立派な猫だったのですね。命日に、こうしてまた紹介頂けて、猫たちをおもう皆様と一緒に合掌させて頂け、ありがとうございます。
レンマ、アカ・・小西さんにとって、どの猫も忘れられない中で特に、その死が無念でならないニ匹の猫が逝った「3月」なのですね。もうじき春の温かく明るい陽射しが、河川敷にも訪れる季節に。ご心中を想うと胸が痛みます。
思うことで、他界した猫たちも、思う人の傍に生き続けてくれている気がします。このブログを作ってくださったことに、心より感謝でいっぱいです。
『多摩川猫物語』は、横浜の9つの市立図書館に蔵書され、いつもどこかは「貸出中」になっています。多くの人に手にとってもらえたらいいなと、祈っています。
版元では絶版にしたとか、猫ブームと言われる今、書店の店頭にも並べてほしい本です。
小西ご夫妻様、御身お体どうか、どうかお大事になさって、これからもご活動くださいますよう。

小西 修 2016.03.28(月) 01:08 修正

I M 様、ミミチロ様、ハルオ様、ロビ 様、ひろりん様
ねこやしき様、みっちろ様。

コメントありがとうございました。
レンマのことは今でも妄想が途切れません。広い範囲の多摩川の所々ではマナーの悪い犬の飼い主のせいで人や猫がとんでもない迷惑をこうむっています。猫が噛み殺されたという事案は多摩川ではもはや珍しい出来事ではありません。たまたま、それを目撃して注意を促した方には今度は逆切れという災難がふりかかる始末です。
そんな現場を通りがかる度に「ここにレンマが居てくれたら」と。そうなると。「ここにも、あそこにも」と数えきれない個所に至ります。
どの場所にも私が24時間見張っている訳にもいかず、事件はいつもある日突然起こります。
しかし、それではレンマの体がいくつあっても足りませんね。そんな叶わぬ妄想を何度抱いたことか。死後10年経った今でも「あの時のレンマが今ここに居てくれたら」と・・・。

私が写真展・他で載せている写真では、やはりレンマの目が開いている場面が多いです。しかし、普段のレンマは殆ど伏し目がちで、視線を低くして下から覗き見てもその眼球はよく見えないのです。ある程度の年齢を重ねた外猫にはこうした猫がよくいます。
人通りの多かったレンマの居場所でしたが、その目を見た方は少なかったはずです。この記事のレンマの写真は30kgはあろうかと思えるほどの紀州犬を追い払った直後で気が立っているため目線がじっと座っている場面なのです。
ただケンカに強いだけの猫にはない次元を超えたような存在感には圧倒され辺りの空気が一変します。

躾の悪い(飼い主)の犬に襲われた瞬間は20数匹の猫はクモの子を散らすようにアッという間に姿を消し、その中でレンマのみが犬と闘っています。そして、勝負がついて犬と飼い主がいなくなると、それとなく猫がそろりそろりとレンマを遠巻きにして安全を確認します。
そんな光景を何度となく見ました。レンマの様な稀有なボス猫と会うことは一生ないかも知れませんね。

いつもブログを見て下さり、ありがとうござます ♪

ロビ Mail 2016.03.29(火) 21:31 修正

亡き今も存在感を持つボス猫の「レンマ」に会ってみたかったと思う人も多くいるのではないでしょうか。(私もその1人です。)
「レンマ」に限らず、今までその場所にいつもいた猫達がもういない、会えないというのは本当に寂しく切ないものですよね‥。何年経っても何十年経っても。
まして悲しい最後なら、なおさら。
たくさんの猫達が犠牲になり、すごく悔しいです。
犯人らは絶体に許せない。つぐなってほしい。

きのこ Mail 2016.03.30(水) 20:08 修正

小西さんが、今も「生きていてくれたら...」と妄想を抱き続ける強者(猫)レンマ、小西さんの文章を読むだけで、そのレンマの姿が見えるような気がします。ETV「ひとりといっぴきたち」でもレンマの話しがあったようで、DVDを探しています。

動物愛護後進国、日本!全くそのとおりですね。でも、小西さんご夫婦がブログで、写真展で、写真集で、訴え続けていただき、少しづつでも、河川敷への理解者が増えたら....などと思っています。

みいじろう 2016.04.03(日) 15:08 修正

毎日読んでいるのですが、2月の惨事から言葉がでてきませんでした。けれどやはり願ってることは変わらない。一日でも早く犯人が捕まること、そして壁に頭をぶつけられるというのはどういうことか、同じ事を犯人に体験させてやりたいということです。そして別の場所でも遺棄された猫や、毒殺された猫が後をたたない。ほんとに少しづつでいいからこうしたことを減らしたいと
願うばかりです。

フウマを昨夏亡くしたおいちゃん、元気そうで良かった。仲間のティービーもクロチンもいつの間にかいなくなっていたのですね。おばあちゃん猫のシロ、複雑な運命を辿ってきましたが、周りの方に見守られてるようで
良かった。ハコにタロウとラビも。ゲンは捨てられた当初は悲惨でしたが、周りの方達のおかげで健康を保つことができているようで嬉しく思います。どうかこれ以上の悲劇がゲンに降りかからないことを願うばかり。
レンマの母親のミケも23才になるんですね。このミケ達の面倒を見ていたご夫婦の姿が消えて、その後のご夫婦、猫達のことが気がかりでなりませんでした。小西さんもミケに会えない日々が続いていたようなので。
もうお二人が亡くなって数年が経つのですね。なんだか
奇特な方ほど命を早く奪っていくようで悔しいです。
そんな中でも頑張っているミケ、まだまだ生きながらえてほしいです。ハナ&アカリのおいちゃんのところには
もう1匹メスのチビがいましたが、元気にしてるでしょうか?

3月のカレンダーの猫も心が痛みました。キャプションを毎日読み返し、心に忘れまいとしました。
私が住む和歌山県では残念ながら野良猫条例が施行されてしまいました。たま駅長が野良猫出身だったのにほんとに恥ずかしい条例ですよね。それでも地域猫活動が
後退せず野良猫達も理解されるよう地道に行動していくしかないのでしょうね。できる人間ができる範囲で。

猫ブームに関しては危惧されることがむろん多いのですが、それ以上にプラスになればと思うのです。むしろ
これを前向きにとらえ訴える機会でもあるのかなと思ってます。