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猫は捨てられて・・・20日間苦しみに耐え続けて

2016.06.20

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 運悪く6月12日の夜から雨が降り出し、翌13日も雨は一日中降り続きました。猫が隠れてた溝は長雨で水があふれ出し勢いよく流れてました。置きエサはできません。
捨てられて初めて経験する外の厳しい過酷な暮らし、どうもできない猫はきっと草が生い茂る中に身を潜め、冷たい雨に濡れながら寒さに震え、飢えに苦しみ耐え続けていたでしょう・・想像するだけで本当に可哀想でなりません。6/9から5日間、猫と会えない日が続き、悪い予感がしました。

次の日、必死に猫を探し回りました。とにかく猫の体調が心配でたまりません。真っ暗になり、、、もう無理か・・と諦めかけていた時、、少し傾斜した土手横の草の所にふと目が行きました。
草の所に何か・・よく見えなくて、ただ何かに縋るように足が向いてました。
近寄ってよく見ると、、それは猫でした・・・奇跡の瞬間でした。
草の斜面にベッタリと張り付いて身を横たえていたのです。
すぐに餌をたっぷり準備して、猫の近くにそっと置き、その場を離れました。きっと餌に近寄って食べてくれると思いました。。ところがいくら待っても横たわったまま猫はピクリとも動きません・・空腹のはずなのに・・

猫はもう体を動かせないのか?・・動けないなんて、でも、疲れ果てているのが伝わってきました。こんな悲しい猫の光景を見るのは・・とてもショックでした。
目もうつろ・・・餌を一度も見てくれず、ただ うっすらと開いてる目は遠くを見てるだけ。
この猫を助けれるのは今日しかないと思いました。
明日では遅すぎる・・死を覚悟している猫、明日はもう会えないだろう、猫を救うチャンスも無くなる、命が尽きようとしている・・。私はもう迷わず、思い切って猫に近づく決心をして、そっと手を伸ばし、猫の体に触れました。
猫はまるで置物の様に動かず、抵抗もせず触らせてくれました。
猫に触れて涙が出ました。よく頑張ったね・・・ごめんねと猫に囁き、ゆっくり撫でました。

すると、動かなかった猫がゆっくり体を起こし、餌には目もくれず、トボトボゆっくり歩きはじめ、この場から離れていきました。でも、体力が残ってないのか5~6メートル離れた場所で止まり、その場に座り込んでしまいました。
こんな過酷な場所に飼い主に置き去りにされ、20日間もの間、苦しみ必死に耐え生き続けてきたのです。
もう歩くことも限界で疲れ果て、生きる気力も・・もう食べる気力もなくなって・・朦朧となりながら、
邪魔されない所で一人になりたくて私から去っていこうとしる・・後ろ姿を見て、猫が死を覚悟してると感じました。

「もう自分のことは放っておいてくれ・・」 そう猫が言ってるようでした。諦めかけてる猫を、私は放っておけず、なんとか救ってやりたいと思い、「どうか、ここで待ってるんだよ!!」いなくならないで!!と祈り続けキャリーを持っているホームレスさんの所まで急いで自転車走らせ、なんとかキャリーを借りて戻ってきました。

真っ暗な中での保護は辺りもよく見えず苦労しましたが、そっと近寄って首根っこをゆっくり掴んで持ち上げると猫はおとなしくしたまま、暴れることもなく猫の体はダラリと垂れてキャリーに無事入れる事ができました。その瞬間、私の気持ちは報われるように安堵しました。自転車の後ろにキャリーを積むと猫は恐怖で「ウォーッウォー」と声を振り絞るように鳴きました。
夜8時半過ぎ自宅に到着、無事保護しました。
翌日病院に連れて行くため、とりあえず自宅の浴室に隔離しました。
河川敷で辛く寒い夜を過ごしてきた猫に暖かい柔らかいフリースを敷いてやると気持ちよさそうにすぐ深い眠りにつきました。
頭を撫でてやるとゴロゴロ喉を鳴らして喜んでくれました。貧血と脱水症状を起こしてます。
頬骨、肩も背骨も腰骨も骨が浮き出て痩せてます。毛を剃られたようなむき出しのお腹は膨らんでいて何か異常があるように見えます。(病気で捨てられることも多いですから。)

6月15日(水)、病院に連れて行きました。先生に詳しくお話しして、快く診察していただきました。
猫は体調が良くなくて自分で食べる事ができません。貧血も起こして、一瞬足がもつれて立てない時もありました。
とにかく体調がよくなるまで体力が付くまで入院して、ゆっくり時間かけて経過観察して見守り治療していきます。
できるだけ面会に行ってます。

自宅の保護猫達7匹のうち4匹が不治の病と闘いながら治療しておりますので、今は本当に色々お世話に大変時間がかかり息つく間もなく睡眠不足が続いております。
それと、あらたに大人の猫を自宅で保護する事は限界に近く、とても難しい問題です。

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皆様へ

多摩猫達をいつも陰ながらご支援して頂いて、
本当にありがとうございます。

お陰様で、可哀想な猫達を少しでも救い助ける事ができています。

心のこもった多摩猫基金や支援物資に心からお礼を申し上げたいです。

いつも助けていただいて本当にありがとうございます。

温かく見守って応援してくださる皆様のお気持ちに

心から感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございます。


小西美智子

コメント一覧

I.M. 2016.06.20(月) 10:34 修正

美智子さんに出会えてよかったですね。
また一つ、命が笑顔になりました。
たとえ、助からないとしても、一人ぼっちで逝くわけではないと思うとほんの少し心が楽になります。
本当にありがとうございます。

ねこやしき Mail 2016.06.20(月) 12:21 修正

毎日の予定をこなすのもいっぱいいっぱいで、時間も精神的余裕もない中で、その上、新たな捨て猫を見つけた時の悲しみは、相当なストレスを伴うものでしょう。
後を絶たない捨て猫、捨て犬、意地の悪い悪戯や虐待に気を抜ける日など1日も無い事でしょう。
それでも広大な多摩川に毎日向かってくださり、本当に本当に感謝です!! 本当にありがとうございます!!
小西さんご夫妻の諦めない憐れみのお世話と救助で、どれだけ命拾いした子たちがおり、またそうした情報に慰められている人々がいることでしょう! (私もそのような1人です)
今回の子も美智子さんが諦めずにさがしてくださったおかげで、貴重で大切な命を生きながらえさせることが出来ました。
でも、それでおしまいという訳ではないのですから、本当にご苦労を背負っておられます。
感謝とねぎらいの言葉しか伝えられず、申し訳ありません。
せめて心からの想いを込めて。

きのこ Mail 2016.06.21(火) 21:15 修正

あ〜、雨の日の救命活動....ご苦労様です、そしてありがとうございます。
私にできることは....本当に少なくて、申し訳なく思います。

「多摩猫Tシャツ」届きました。ありがとうございました。

にゃんごろー 2016.06.22(水) 00:33 修正

修さん 美智子さん

奇跡の瞬間、、、きっと神様が、そして多摩川で小西さんご夫妻やおいちゃん達に見守られながら星になった犬達猫達が、暗く生い茂る草むらの中でも消えかかった命と引き合わせてくれたのだと思います。
重篤な猫さん、引き続き容態が心配ですが暖かな場所で穏やかな時を過ごせますようお祈りしています。

慌ただしい毎日をお過ごしとのこと、修さん、美智子さんもくれぐれもお身体をご自愛くださいませ。