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タマ猫日記~596

2011.09.21

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 昨夕は土手近くに避難している方は少なかったものの、今日は多くの方がテントを張って避難していました。避難といっても強風と雨によってテントの中の物は人も動物も含めてすべてがびしょ濡れです。そればかりか、夕刻になると気温はどんどん下がって体への負担は大きなものがあります。

 巡回の最後はハナ&アカリのおぃちゃんの所に寄ってみました。小屋の中からの返事はありません。5m余りの増水で後もう少しで小屋が浸水するところでした。おぃちゃんはハナとアカリを土手下に設置したテントに避難させていました。ところが、強風のためバタバタというテントの音と雨が吹きつける音とでとても会話ができる状態ではないばかりか、夜にかけての増水を見越して河川敷を離れる準備をしていました。そして、テントの中には見かけぬ小さな小さな子猫もいたのです。なんとこの雨の中、河川敷にあるコンクリートの階段の所に捨てられていたのだそうです。「こんな時にこんな酷い事をしやがって。」とおぃちゃんの顔は悲しそうにゆがんでいました。普段なら母猫から母乳を飲んでいる生後1ヶ月位で、間違いなく一般家庭で産まれた子猫です。
 一刻を争う状況の中、私がテントで留守番をしている間におぃちゃんは今夜の避難場所を見つけたようでした。そこは公共施設の屋根のある場所でした。おぃちゃんはカゴに3匹の猫を入れ、上からタオルで覆い板切れを蓋代わりにして雨の中を移動しました。
 辺りは強い風雨が吹きつけ、屋根の役目は全くありません。「ガンバレよ、一晩だけここに居ような。」とおぃちゃんは猫'Sに声をかけます。・・・明日の朝まではここで過ごすのです。

 別の場所に住むおぃちゃんからも電話があり、すでに床上浸水になり猫と共に避難をしているようでした。以前、日記に書いたことがありますが、今日は上流の小河内ダムを開門しています。今後、台風が過ぎ去った後に大幅に増水する可能性もでてきました。多摩川の人と動物は眠れない夜を過ごしています。

『追記』・・「多摩猫オリジナルカレンダー2012」A4中綴じ。
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 少し補足します。
 
 台風が来る前日からおじさん達への食べ物や犬猫達へのフードを
お渡しして回りました。同時に捨てられた成猫の事が心配でたまらなくて雨が降る昨日は早い時間から待機して待ち続けました。すると雨の切れ目に出てきてくれてお腹いっぱい食べさせる事ができました。二回食べさせて置き餌もしました。もし台風の日に会えなくても我慢できるようにと思いました。この猫が台風の間どこで身を守れるのかが一番心配でした。時間をかけて見張ってたお蔭で、この猫がいる場所を知る事ができました。なんとか雨風を凌げる場所があったのです。ホッと胸を撫で下ろしました。賢い猫です。きっと台風を乗り切ってくれると信じています。
 今日は台風がピークになる前に猫達のお世話を全部終えて、おじさん達にすぐに食べれるパンや飲み物をお渡しました。だんだん雨風が酷くなってくるために焦りましたが、時間と共に強さが増して
荒れ狂う雨風で強風に煽られ、横殴りに降り付ける雨は霰のように顔にバチバチ当たって痛くて痛くて前が見ずらくなり自転車もコントロールできなくなる危険な状況になりました。
 おじさん達の避難テントは無残にも押し倒されて、リヤカーに掛けて縛ってあるシートもめくれ、そばでリードに繋がれた犬達は叩きつける雨でずぶ濡れ、台風の音の恐怖で鳴き叫んでいました。見ていて本当に可哀相で辛くなりました。みんなの無事を祈りながらも身動きできなくなった私も4時に帰りました。
 こんなに荒れ狂う風を経験したのは初めてです。本当に恐ろしかったです。帰宅しても多摩川の事が気になって仕方ありませんでした。明日の準備もしなければと頭が混乱してましたが、7時になって雨が止んで風の音だけになった時、少しホッとしました。
 8時、一番頼りにしているEさんから携帯に電話が来て、多摩川の状況を知らせてくれました。水が上がったけど、今はなんとか大丈夫との事でした。涙が出るほど嬉しかったです。大変な時というのに心配させまいとしてわざわざ電話をして下さったEさん、私はお礼を言いました。捨てられた猫と今日会えなかったのも気になっていたので、夜9時半、多摩川に向かいました。捨てられた上に台風という死ぬほど怖い思いをしたのですから、なかなか出て来れないと思います。どうか無事で出てきて食べてくれるように祈っていつもの所にたっぷりエサを置いておきました。明日必ず会える事を願っています。電話をくれた、たくさんの猫達を世話してくれてるEさんの所にも行って支援物資をお渡ししました。回りの小屋は床上浸水して、Eさんの所だけ床下浸水でした。川との境が判断できなくなってて長靴を履いていても小屋には近寄れない危険な状態でしたが、Eさんは猫達のためならサンダルでずぶずぶと入って行きます。カラスも猫達もこの人の責任感の強さで守られています。
強風で無残にも潰れてしまった小屋もあります。昨日と今日ではこの場所が同じ場所とは思えません。
でも、多摩川の水位が少しずつ減っていってます。
台風も過ぎてくれましたので、もう大丈夫です。
 皆様にはご心配ばかりおかけしてます。
 いつも温かく見守って下さって本当に有難うございます。

 そして、おじさん達のためにと食べ物もご支援して送って頂きま して、おじさん達もお礼を言って感謝しておられます。
 色々と助けて下さって、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
 有難うございました。

 小西美智子

コメント一覧

I.M. 2011.09.22(木) 08:58 修正

みんなみんな、無事でありますように。
自分の身体も危ない中、河川敷にか弱い命達の為に毎回ありがとうございます。
 今年は本当に変な天候続きです。まだまだ台風の季節は気を抜けませんが、猫達、おいちゃん達、お天気の良い時にしっかり食べて体力つけて下さい。
また、送りますね。

みゆき URL 2011.09.22(木) 14:11 修正

普通の民家でさえ被害を受けた、大変な台風でした。
この非常時に、献身の行動を尊敬いたします。

しかし、このような嵐に、生後間もない子猫を捨てるなんて、本当にひどい人が居るものですね。
それを助けるおいちゃんや、美智子さんのような、
慈愛深き人が居ることが救いです。
本当にお疲れ様でした。

グンコ Mail 2011.09.22(木) 16:44 修正

台風が去り、青空が戻った今日多摩川のおいちゃん達と猫は無事であっただろうか?
一ヶ月にも満たない子猫を台風の最中遺棄するなんて、己の手で首を絞めていることと同じことです。いつか報いがあると思います。
小西様の雨、風の中お世話ありがとうこざいます。
そして子猫を助けてくれたおいちゃんありがとうございます。
カレンダーの件知り合いに薦めます。沢山売って、多摩川の猫達の現実を知ってもらい,人間の勝手でこれ以上弱い命を不幸にしない。虐待しない,
是非感じ取ってほしいです。

未承認 2013.08.27(火) 15:08 修正

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