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タマ猫日記~880

2014.08.12

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先日、多摩川の猫たちの現状を詳しく知りたいという女子高生が一人で私を訪ねて来たのです。大学でジャーナリズムや動物関係の科を専攻している学生さんならまだしも、彼女はまだ高校生です。「いったい、どんな娘(こ)なんだろう ? 」と。

お会いしてみると、都内の高校に通うごく普通の女の子でした。図書館で借りた拙著「多摩川猫物語」に目を通し、強い衝撃を受けたのだと言いました。見て見ぬふりをする方もいるなかで、強い関心を持ってくれた高校生がいることに明るい将来をも感じます。

彼女は「私にできることはなんだろう」と自問自答を繰り返し、厳しい現状に生きる多摩川の猫のことを題材にアニメーションを作り、それを卒業制作として完成させたいと言うのです。
そして「私が感じた衝撃をもっと多くの方にも感じてもらいたい」と思っているのです。
完成すれば科内でプレゼンをし、後に来年3月に都美術館で卒展としてその作品を大勢の方が観て下さるのだそうです。

そして、彼女はその情報収集のために多摩川に出向いたものの「何度行っても探しどころか悪いのか猫達には会えなかった」と言います。

ともあれ私は彼女の質問に沿った話に加えて過酷な猫たちの現状のありのままを伝えました。すべてを一日で言い伝えることは無理ですが、なるべく分かりやすく話したつもりです。その後、河川敷を歩いてみたいかと聞くと「行ってみたい」と即答、その時の彼女の輝くような目が印象的でした。

約3kmほど歩きました。日中の暑い時間帯でしたが、それでも彼女は多摩川のおぃちゃんや犬猫にも会えました。今頃、多摩川の光景は彼女の頭の中にどんなふうに印象づけられているのでしょう。
順調にアニメが完成することを願っています。