先日、「ウメが殺された」という佐藤さんからの電話が数秒で途切れてしまい、そのことが気になって何度か足を運んでいたのですが、やっと今日にしてお会いすることができました。
やはり、ウメ(♀・12歳)は何者かによって頭頂部を撲殺された形跡があったそうです。リヤカーの下で発見したのは7月3日(日)の20:00頃だったそうです。前日まで元気に過ごしていたウメの変わり果てた姿を見た佐藤さんはウメのことが気の毒で震えたと言います。
思えば去年の秋頃に大きな枯れ枝でウメを殴っていた男をたまたま土手を歩いていた佐藤さんの知り合いが目撃しているのです。そのときは大事には至らなかったようです。河川敷にはどこでも枯れ枝や石ころがあるので、なんでも凶器になってしまいます。
その後もウメの足を何者かがなんらかの硬い物で傷つけた人物がいます。長い間びっこを引いていましたが、そのうちに自然治癒したのです。
そして今回の悲しい出来事。犯人は前回と同じ人物なのかいなかは不明のままです。佐藤さんは今日まで毎日泣いていたそうです。
私は一瞬驚きましたが、佐藤さんは「まだウメを埋めていない」と言いました。実は佐藤さんよりずっと年配のとある方から「猫は死んだらすぐに埋める人がいるけど、魂が抜け切るまでに時間がかかるので自然の中にそのまま置いておくべき。3週間位して体が土に還る頃に埋葬すれば良い。線香は何本も使うことなく、必ず一日一本たむける事」・・・と指摘され、佐藤さんはそれをそのまま信じて実行しているとの事でした。
そして、佐藤さんはおもむろに「小西さん、ウメの写真を撮ってやって下さい。本当にいろいろお世話になりました」と言って目立たないように隠していたカバーをめくってウメの亡殼を見せてくれました。
「私が可愛がっている猫がどうしてこんな事をされなきゃいけないの」「こんなウメでも私にはまだ生きているように見えるんですよ小西さん」と言って泣き崩れてしまいました。
孤独な暮らしをしている佐藤さんの寂しい想い、何者かによって愛するウメの命を強引に絶たれた悔しさが私にもひしひしと伝わり胸が苦しくなりました。
ウメの体は殆ど骨と皮だけになっています。
3日後くらいに埋葬するそうです。
これまで多摩川のウメを見守って下さった方、ウメ・他のためのご支援を頂戴した方もいらっしゃいます。本当に長い間ありがとうございました。佐藤さんとウメ(♀)に代わり心よりお礼を申し上げます。
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ウメは2004年9月に遺棄され、それを犬のモモ(♀)が口に咥えて佐藤さんのもとに連れて来たのです。そして、間もなく出始めた母乳でウメを立派に育てあげたのです。犬のモモは通算で約20匹ほどの捨てられた猫を佐藤さんの小屋の中で育ててきました。当時の新聞(アサヒタウンズ)にも掲載されました。
その後はウメはモモのそばを片時も離れることはありませんでした。私が初めてウメと会ったのはまだウメが2歳の時でした。モモも血気盛んな年ごろで、ときどき佐藤さんに怒られていたのを今では懐かしく思います。
今、モモは歳を重ねて耳が遠くなりましたが、それなりにゆったりと過ごしています。佐藤さん同様にウメの元気な姿を見れない今となってはきっと寂しい思いをしていることでしょう。
I.M. 2016.07.22(金) 10:17 修正
あらためて、ウメのご冥福をお祈りいたします。
ひとりと一匹たちで モモとウメの関係を微笑ましくも自慢げに語っておられた佐藤さんの姿が思い起こされます。本当に大事そうに思いやりのある眼差しで見つめておられました。
様々な弔いの方法があることを知り、びっくりです。
離れがたいのでしょうね、佐藤さん。
どうか、ひどいことをした人に天罰が下りますように。