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追い詰められる命・・・(2)

2010.01.08

河川敷にいる人達には様々な苦しい事情があります。
ここの所、私が巡回している場所でも新たに5~6人おられます。

 1月6日、その日は珍しい夕焼けが見れました。
私は巡回している時は180度の視野で自転車で移動しています。
少しでも普段と見慣れないような光景には目が留まります。
 次の移動場所へ向かっていた時でした。夕焼けの中で女の人が
ぼんやり立っている光景がシルエットで見えました。何かを抱いているような・・・少し気にして通り過ぎようとした時、その女性の腕の中にいるのは黒猫でした。ここまで抱いて散歩に来てるのか・・・それは本人に聞かない限り判らないことです。

 しばらく離れた場所から様子を見ていました。もし猫が捨てられるような事があれば一大事です。すると女性はゆっくり茂みの中に入って行きました。その場所は去年の12月に突然できた物、小さく膨らんだ汚れたブルーシート、その傍に立ったのです。
私は愕然としました。そうか・・・この中に居たのは、この女性だったのか・・・と、それはもう直感でした。
 私は大急ぎで残りの猫達のお世話を終えて、その場所に引き返しました。女性とお話をさせてもらいました。私が先に自分の事をお話しすると女性は少し安心して口を開いてくれました。
 女性は暮れにアパートを追い出されてしまったのです。2匹の猫と暮らしていたのに、アパートに入る時は猫を飼っていいと言ってくれたのに急に話が変わって、もう飼ってはダメだ、処分するか出て行ってくれと宣告され、契約更新もさせてもらえず追い出される形になってしまったのです。あまりの突然の事、余裕も無く、住む当ても無く、路頭に迷うように多摩川に来たのです。
なんという事でしょう。こんな場所で女性が一人でシートの中で猫達と過ごさなければいけないのか・・・・私はとりあえずの支援金をお渡ししました。彼女は声を詰まらせて、有難うございますと言って、私は彼女の手をとって、大丈夫ですから、生きていればなんとかなります。諦めないで生きて下さい。また来ますから・・・と
その日はお別れしました。
 次の日、彼女の所へ食べ物と猫達のフードや暖かい敷物など持って行きました。
 二匹の猫と離れられない・・・彼女のこの言葉は私にとって一番嬉しかった。

 大家さんに言いたい。少しでも女性の身になって考えてくれたか?、可愛がっている猫達を排除しろと住まいの立ち退きを強いられた者の辛い気持ちを考えた事があるか、あなたは三つの尊い命を追い詰めている事がお分かりですか? 貧しい女性から安全な住まいを取り上げる事がどれだけ命に関わるか、住所を失った女性は仕事も失ったのですよ。家賃を取って住まいを提供する者なら、住んで下さる人への感謝の気持ちを持てる位の人でなければ、人に貸す資格は無いと思います。何故、もっと人らしい優しさや思いやりを持てないのでしょうか・・・冷た過ぎる・・・残酷です。
 日本の住宅事情は動物を受け入れない恥ずかしい規則がある。

 アパートを出ろと言われ、切羽詰まると猫を捨ててしまう人間が多い。ただの引越しでも捨てるくらいだ。私は涙が出た。こんな危険な場所に命をかけて猫と住もうとしている、そんな勇気は出せるものではないです。どんな事があっても彼女は猫を捨てる事なんてできないのです。
黒猫は三太、そして少し怖がりな小さな体のタマコを抱きかかえて私に見せてくれた。この時、女性がはじめて柔らかい表情で笑ってくれた。4日の深夜に大雨になった時、三太がいなくなって雨の中ずぶ濡れで三太を探し回ったらしい・・・三太も多摩川の環境に慣れず怖くてたまらなかっただろう。何故ここにいるのか、猫達には何もわからないで連れて来られたのだから。
でもたった一つの救いは守ろうとしてくれる飼い主が傍に居る事である。
 この女性がここに来て、一匹の子ガラスが一緒に生活してる。
飛べないで死んでしまう所を優しい彼女が助けている。一緒にシートの中に入ってくる。もちろん食べ物はキャットフード。名前はクーちゃん。 私も以前、カラスを三度保護した事があります。
羽を損傷したり、人によってねじ曲げられたり、生れて間もないカラスが虐待されて放置されてた時・・・色々と思い出しました。
動物の全ての敵が人間なのです。

 シロチンはいつも犬が来たらすぐさま怯えて逃げてしまう猫です。あの初老の男性は、ただ猫が嫌いという理由だけで近づいて虐待するのです。嫌いだから虐める・・・こんな人間が多すぎます。
男性に言いました。「あなたが飼ってる犬もこの猫も同じ命でしょう。」   
 動物は嫌いな物に近寄りません。

 長文になり、いつも申し訳ありません。
ただ、見守ってくださる皆様になるべく事実を正確に伝えたいと思う一心で書いてしまいます。
 いつも有難うございます。
 
 小西美智子

 

コメント一覧

猫好き 2010.01.08(金) 04:42 修正

あまりにショッキングな事実に体が震え涙が出ました。

男性でも危険な場所に、女性お一人で・・・。
そうするしかなかった彼女の気持ちを思うと切ないですし、私も美智子さんと同じ様にそんな辛い状況でも猫達を手放さなかった愛情の深さにただただ感謝です。
どうにか、その女性と猫達とカラスが安心して暮らせる方法はないのでしょうか・・・。


白ちんせっかくハウスに入ってくれる様になったのに、残念でなりません。
私の知っている限りでも、犬が近付くとたいていの猫は逃げますし、怯えてその場に伏せて身動き出来ない子がほとんどです。
白ちんをいじめた犬の飼い主の何とも子供じみた言い訳に呆れます。

マナーの悪い犬の飼い主が多いなかで『ごめんねー、犬が通るけど何もしないからご飯食べてねー』と言って、食事中の猫を気遣い道路の端を歩いて行って下さる飼い主さんも居ると言うのに。


人間は人間が一番偉くて、次に飼い犬、飼い猫。
野良猫はどうなっても良いと言う考えの人があまりに多い。


先日、里親になって下さった方が『犬と猫と人間と』を観に行って下さり、『私にも何か出来る事があれば協力させて下さい』と言って下さいました。
私は涙が出る程嬉しくて、映画を観て感じた事や現実を一人でも多くの方に話してあげて下さいとお願いしました。


小西さん、美智子さんYさんや女性の事、過酷な現実を教えて下さいまして有難うございます。

I.M. 2010.01.08(金) 08:33 修正

本当に不条理な事がまかり通っている現実ですね。最初は住んで良いと言いながら、落ち着いたところで言を翻す。秘境としか言えません。何とか無事に済む場所を見つけることができればと祈るばかりです。役所へいっても、まずは猫たちの処遇を何とかしろ!から始まる事が目に見えているから、この女性も相談できないのでしょう。昼日中の街中でも危険は待ち受けているのに、寂しい河川敷には沢山の危険があるのではないでしょうか。せめて空腹を感じる事がない様に。この現実を沢山の方々に、そして支援を考えている方々に知ってほしいです。

豆ママ 2010.01.08(金) 09:44 修正

こんな事あるんですね。私はその女性が底にいる危険性が心配です。今はその猫ちゃん達を愛護団体に頼んでみたらいかがでしょうか。底から抜け出す方法は早く自立して、ペット可の賃貸を借りることができれば、又その子達と暮らせると思います。何時までもその状態だと皆
不安で猫ちゃん達もいなくなってしまうほうがより危険です。その女性が身動きできる環境を自分でつくることが先だと思うのですが、話をしたら、分かってくれる団体もありますから、是非そうしてもらいたいです。

うめはん 2010.01.08(金) 13:23 修正

はじめまして。

大家のやった追い出しは法律的にも違法です。訴訟等で争えば損害賠償金も取れますし、また元のアパートに住むことも認められます。といっても、争うにも、お金や労力が必要になりますが。。。その女性を援護してくれる団体さんなどは近くにないのでしょうか?

takeuti Mail 2010.01.08(金) 14:18 修正

この優しい人が、早く猫たちと安心して暮らせますように願ってます。少しでも足しになりますように、送らせていただきます。お二人もくれぐれもお体に注意なさってください。

まこと 2010.01.09(土) 12:38 修正

小西様 美智子様

新しい年を迎え早くも3分の1が過ぎました。
少しでもいい事が、僅かな楽しい事が、先に希望の持てる何か・・・
こんなの贅沢ですよね。
新しく多摩川の住人となった、愛しい猫2匹を抱えた女性は
きっと、絶望やあきらめのなかで不安な時間を過ごして
いるのでしょう。
なんてせつない、現実でしょう。
でも、よくぞ猫を手放さずにいて下さいました。
猫がいなければ自分は雨風の凌げる場所で暮らせたでしょうに。
手放せなかった、そんな事したくは無かった・・女性の
思いは、よ~くわかります。  頑張って生きてください。
河川敷での生活は私などが想像も出来ないほどの、過酷で
つらく、危険な事なのでしょう。
世の中には無関心な人、攻撃的で暴力を振るう事をなんとも
思わない人など様々、でも美智子さんたち河川敷でお世話を
なさっている心優しい人達もいる事を知って
どうか生きてがんばってください!

ねこまさ 2010.01.10(日) 21:40 修正

悲しすぎて言葉が見つからないほどです。
女性のとった行動は賞賛されてしかるべきで、アパートの大家の行動は社会から非難されるようなことですよね~!
女性の優しさと勇気には頭が下がります。
私ならきっと、実家とか知り合いに猫を預かってもらってその場を切り抜けようとしか考えなかったでしょう。
何でこの日本ていう国は、本当に優しく思いやりのある人間が生きづらい社会なんでしょうか。

それにしても悔しいですね!
アパートの敷金の返金、女性の持ち物などはどうなったのでしょう。
それから猫を飼っているだけで出て行ってもらうというやり方に違法性はなかったのでしょうか。
立ち退き料なども請求できるのではないでしょうか。
少額訴訟制度などもあるので、相談されてみてはどうかと思いました。

日本にもそろそろイギリスのように動物虐待を取り締まるアニマルポリスのような組織が必要かと思います。
それから、一律にペット禁止とかいうアパートが多いのも、社会を冷たくしている要因になっているのではないかとも思いたくなりました。

みいじろう Mail 2010.01.11(月) 16:39 修正

こちらの女性はよく飼猫2匹を手放さずにいてくれました。ジッポの飼主の女性は同じ理由でジッポを捨てましたが・・・ただ河川敷での女性の暮し、危険がいっぱいで私も心配です。動物と暮せる住まいが見つかり、河川敷から早く脱出する事を願ってます。上記のコメントにもありましたが、相談するNPO団体などないでしょうか?家が見つかるまで、マトモな愛護団体に猫を預けるのも手かと思います。借りるとき時の契約と話を変えているのは大家の方。返金してもらうべきお金も返してもらっているのか、泣き寝入りはして欲しくないです。首都圏なら動物可の住まいが増えているそうですが、これは賃貸なら当てはまらないのでしょうか?私の近所はワンルームマンションだらけですが、ペットを飼ってる人は多く、大家は黙認してることが多いようです。どうかこの女性もしぶとく生きて欲しいと思います。

一人ぼっちのコレ・・・これだけ人懐こい猫だったら良い人に拾われたらいいのに(>_<)

シロチン・・・同じ縄張りの猫ロスにやられ、ひっそり生きてるのに。とにかくこの70才くらいのジジイに同じ目にあわせてやりたいです。このジジイがロスに同じ事をしたとしても許せない。シロチンを守ってあげたい気持ちでいっぱいです。

ツウ・・・今でもいなくなったと受け入れたくありません。皮膚病にかかったリリーの治療に小西さんが通われていたので、ツウも変わりなく過ごしてくれていると思ってました。他の仲間の猫達は元気にしてくれているでしょうか?99%ありえませんが、実はどこかで良い人に巡りあえて、その人と残りの余生を過ごしてくれている事を願うばかりです。

ちゃまちゃん・・・お幸せに☆保護された頃小西さんの写真から、ちゃまちゃんの可愛さ、元気さが伝わってきたので、里親さんがすぐ見つかるだろうと思ってたので、少し時間がかかってるのが気になってました。ねこまささん、ありがとうございます!!

小西美智子 2010.01.12(火) 03:27 修正

河川敷で暮らさざるを得なくなった女性の身を案じて心配の余り色々とアドバイスなどして頂いて、心から有難く受け止めております。
 しかし、まだ女性とお付き合いが始まったばかりです。女性が私に全てを正直に話してくれてると自信持って言えません。色んなホームレスさんと関わってきていますが、今までの経験で言うと、初めからすぐに信じてはくれません。人間不信になっている多くの人は本当の事は言ってくれません。それは当たり前でもあります。
 なので、私はいつも何度も足を運んで回数を重ねる事が一歩一歩、人の心に近づけるという事だと思っています。救済の形は色々あります。私はまずホームレスさんに対していつも誠意を持って相手の気持ちになってお話させて頂いています。それしか本当に心を開いて、同じ人間として打ち解けてくれる方法はありません。
ただ住まいの提供だけを焦るのでなく、その人の心の中や気持ちを分かってあげる事が一番大事な救済だと思うからです。孤独な人が多いのです。
 
 何故、こうなってしまったのか、どういう理由であろうと、たった一人の女性が河川敷に住むのは確かに危険過ぎます。街なかにも女性のホームレスさんが4人ほど放浪しています。危険と分かってて河川敷に来た女性は、きっと猫と離れられない一緒にいたいから河川敷しか居る場所が無かったのだと思います。恐らく簡単に人には話せない深い事情があると思います。
 その女性が食べて、猫達が飢えずに食べて・・・まずは生きるために食べる事ができて、少し心が落ち着いてきて、、女性が言ってる事を信じてあげながらも、本当の事を心から話せるようになってくれるために、ゆっくり時間をかけ、彼女の気持ちになって考えて・・・そうすれば、少しずつ気を許して友達のように話してくれる日が必ず来ると信じています。それから、彼女が今後どうしていきたいのか、一緒に考え話し合えたらと思います。そして、皆様からの有難いアドバイスを参考にしていきたいです。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

 女性への支援金と食べ物や猫フードはこれからも続けていきます。

色々と有難うございます。

 小西美智子

I.M. 2010.01.12(火) 18:09 修正

人間、人に話せる事ばかりではないし、話す事が出来る人なら河川敷に来る事はないと思います。それだけに無理に話を聞く事無く信頼関係を築いてから自然に口を開くのを待つ美智子さんのやり方が安心感を与えるし信頼関係を築けるのだと思います。誰にでも話せる人なら思いつめる事もないでしょう。とにかく安全第一。生きていれば何とでもなるとは言いすぎですが、できるだけ健康にひもじい思いをする事がない様にと祈っております。

kinmokusei Mail 2010.01.12(火) 22:26 修正

この寒さの中多摩河川敷はどんなに寒いのか想像しただけでそこに住む方々や犬猫たちの厳しさをこのところ胸が痛むようになりました。それはこのブログを開いてみるたびにです。毎日気になっておじゃまさせていただいてます。小西様本当にありがとうございます。最近こられたという優しい女性の方も小西様にどれだけ励まされておられるでしょう。直接は何のお力にはなれませんがこのブログを通して見守らせていただきます。