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タッちゃんという猫

2010.03.28

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 忙しさに追われ、なかなかご紹介できなかった猫がいます。
今日はそんな一匹の猫についてお話させて下さい。

 その猫と出会ったのは去年の7月11日。いつものように自転車で多摩川に向かう途中、一軒の民家の中にある白い車が見えました。その白い車のバンパーの上に黒い物があって、私はてっきり車を拭くモップか雑巾の様に見えました。通り過ぎようとした瞬間に目を奪われました。あれは猫ではないか・・・そう思った瞬間、引き返しました。生きているのか・・・傍に寄って猫の状態を見ました。もうぐったりとしていて、かすかに呼吸をしているのがわかりました。体は骨と皮でお腹の肉もへこみ、何日も何も食べていない状態が続いている病気の猫だと分かりました。私が体を触ろうとしてるのに黒い猫はまったく目を開けませんでした。脱水と貧血を起こしていて動く気力も無いのです。細くなった腕をそっと持ちました。猫はされるがまま腕はだらりと垂れ力が入りません。腕を握って猫に話しかけました。「大丈夫かい? 生きれるかい? まだ頑張れるかい? 」すると薄目を開けました。その目はうつろで私を見ようともしません。遠くを見ていました。風邪の症状も無く、顔はきれいでした。とにかく美味しい缶詰を開けて鼻に持っていって匂いを嗅がせて見ましたが、何も反応してくれませんでした。
 その日は薬箱に持参していたプロポリスがあったのでミルクに溶かしてスポイドで少しずつ口に垂らしながら入れました。明日会えたら私にできる限りの事をして一緒に頑張っていこうと思いました。

 多摩川に限らず、どこでも外猫達は誰かに餌を貰いながら必死に生きています。人がお世話している猫にむやみに私は手出しをしませんが、瀕死の猫については見過ごす事はできません。

 奇跡というのは本当に起きる事があります。。。。
黒猫はふらふらで起き上がるのもやっとという感じでしたが、二日目にミルクを与えた時、少しだけペロペロと舐めてくれました。口の中がかなり悪い状態かもしれないと思い、コロイダルシルバーを飲ませました。そしてa/d缶を少し口に入れてみました。ほんの少し舐めてくれました。奇跡は3日目に起きました。黒猫はミルクを飲み始めました。a/d缶にもミルクをたっぷりかけて流動食にしてみました。すると、ゆっくりゆっくり舐めるようにして自分から流動食を食べ始めました。感動と同時に嬉しさで涙が出そうになりました。まだしっかり立てない体を支え「立って、頑張るんだよ。大丈夫、私がついてるから」と祈りながら何度も言いました。そして、4日目、ガリガリに痩せた黒猫は立っていました。そして薄目が少し大きく開いて、生きる気力が出てきたのを確かに感じました。そしてだんだん黒猫は食べる量も少しずつ増えて、口の動きもしっかりしてきました。a/d缶にペット用のミルクをかけて流動食にして食べさせるというワンパターンの毎日が続きました。しかし、これが良い方向に行っている事は猫を見ていて手に取るように分かりました。黒猫はa/d缶を毎日食べ、ミルクをがぶ飲みする日が続きました。本当にみるみる体力がつき、やっと立って歩けるようになりました。よく頑張ってここまで立ち直ってくれたと感謝しました。  
 この猫をタッちゃんと呼んでいます。元気になって欲しい、立って欲しいと願う気持ちで一心だったので・・・立ってくれた時、思わず「タッちゃん!!」と呼んでいました。タッちゃんは女の子です。
 
とにかく、病気を治すため、乗り越えれる為にも体重が少しでも増えて体力がつく事だけを考えていました。食べれるようになれば体力は必ずついてきます。

 機会があればこの家の人からタッちゃんの事を聞いてみようと思っていましたが、いつも留守で会えずにいました。その後に奥さんと会えてお話が聞けました。奥さんは「あなたがクロちゃんのお世話をしてくれたのですか。有難うございます。何も食べれなくなって動けなくなってたので・・・帰ってきたらもう死んでるだろうなと思ってたんです・・・そしたら元気になってたのでびっくりしたんですよ。」と言いました。
 タッちゃんは5年前位に捨てられていて、この家の庭に居ついてしまったらしい。餌をくれるおばさんもいたらしいが、食べなくなってきたので諦めたらしいのです。
 もう私は覚悟を決めてましたので、奥さんに「この猫のお世話を最後まで私にさせて下さい。最後まで責任を持ってお世話しますのでお願いします」というと、喜んで承諾してくれました。
 タッちゃんに暖かい小屋を作って、毎日お世話してました。
タッちゃんは私が来る時間には待っていて、私の自転車の音を聞き分けて小走りで出迎えてくれるようになりました。
食欲が出て凄い食べるようになったので動きも機敏になってました。8月は良く食べ体調が良かったです。ただいずれ病院に連れて行かなければと思っていました。
 そして、10月に入って、食欲がある時と時々あまり食べれない時が交互に続いていました。 私も日々多摩川のお世話で忙しく動いておりましたが、11月2日、多摩川のお世話を終えて自宅に戻り、キャリーバッグをとってタッちゃんの所へ行き、タッちゃんを病院へ連れて行きました。タッちゃんの健康状態を全て検査するための血液検査をしました。内臓関係は問題ありませんでした。
エイズ・白血病も陰性です。
 問題は口の中で、手術をする事になりました。
重度の口内炎を治療しながら、そしてそれ以上に、食べれない理由は歯にありました。歯が悪いというより、原因が良く分からないのですが、ギザギザの歯根が何本も残っていて、その上から歯茎が歯を覆っているのです。物を噛む度に歯茎に埋もれてるギザギザの歯根が歯茎に突き刺ささり激痛で食べる事ができなかったのです。先生は「放っておけば死んでいたでしょう。でもミルクやペースト状のa/d缶をずっと与えていたのは正解ですね。噛まなくても食べれたのでしょう。」
 タッちゃんは埋もれている歯を9本全て取り除く手術をしました。犬歯1本、臼歯1本も抜歯しました。
そして、一週間後、11月9日に退院しました。それからはびっくりする位、なんでも食べれるようになり、今はドライフードが大好きで良く食べています。最初、茶色になってた毛並みも黒々と本来の色を取り戻し、体も丸く標準体重になりました。
 タッちゃんも飼い主がいませんので、幸せになって欲しいので里親募集をしております。体を触られるととても喜びます。
今現在、タッちゃんがいる家の人は引越しをされてます。まだその家は空き家なのでそこでタッちゃんは今も小屋に入って静かに暮らしています。毎日私はタッちゃんのお世話をしております。
 私の家は狭くて、タッちゃんをすぐにでも保護をしてあげたいのですが、スペースがありません。今はアイヨも自宅保護してますので無理ができません。引越しをして少しでも助けたい猫を保護できる体制にしたいと2年前から考えておりますが、今の所、忙しい日々に追われ実行に移せないでおります。
とにかく、タッちゃんは毎日お世話をしております。
いつか飼い主さんになってくれる人が見つかるように努力したいと思います。

 皆様には日々見守っていただきまして、温かいご支援をして頂き本当に有難うございます。

 コメントも大変嬉しく励みになっています。いつも有難うございます。

 小西美智子 

コメント一覧

maco URL 2010.03.28(日) 18:27 修正

美智子さん、コメントではご無沙汰しています。
でもいつも読ませて頂いております。

本当にいつもありがとうございます!!
「今はドライフードが大好きで」の一節が全てを物語っていますよね。カリカリが食べられるようになったなんて…
体を触られると喜ぶなんて、人の事好きなんですね^^
素敵な里親さんが見つかる事を心から祈っております。

にゃおみ Mail 2010.03.29(月) 03:25 修正

こんにちは。
雑誌CREAで、小西さんのブログを知ってから度々訪問させて頂いてます。ブログを読んでいるといつも辛い気持ちになるのですが、でもやっぱり気になって見てしまいます。見終わった後は意味もなく飼い猫をぎゅっと抱きしめています。嫌がられますけど^^
でも今日はちょっとホットする内容でした。タッちゃん元気でご飯を食べれる様になって良かった。やさしい飼い主さんが見つかりますように。
小西様、まだまだ寒いですのでお体に気を付けて頑張って下さい。

I.M. 2010.03.29(月) 08:40 修正

元気になって欲しい、立って欲しいから「タッちゃん」。想いの込められた名前ですね。そして、最初はクロネコとは思えない赤茶けたパサパサの毛並みが段々とつやのある黒になって。河川敷の不遇の猫たちとの出会いはそういう状況が多いのでしょう。運良く小西さんご夫妻に巡り合えた猫たちは、その幸運を二度と離さない様にしっかり食べて想い半ばの子達の分まで生き抜いて欲しいです。抜かれた歯はすごいですね。犬歯の根の長さには肉食動物の名残を感じますが、こんなになってしまっては咬む事さえままならなかったでしょう。今はカリカリ食べられるようになって良かったです。素敵なご縁が結ばれますようお祈りしています。

ジュジュママ 2010.03.29(月) 18:21 修正

タッちゃん、がんばれ!!

すごいすごい奇跡ですね。

たまりん 2010.03.29(月) 20:56 修正

タッちゃんのように、口腔内の問題で食べることができずに、ひっそりと命を落としていくお猫さまも沢山いるのではないでしょうか。
幸い、タッちゃんは小西さんの瞬時の判断による栄養補給と、その後に獣医師の診断処置を受けることができましたが、日頃お外に暮らす外猫さんたちの中には、食べたくても見えないところの身体問題で食べれずに、生死が分かれてしまうこともあるのだと思うと、意識を持つ人間が早期に気付いて、そのような原因もあると想像力を働かせて、専門家の判断(診断)にゆだねる場に結びつけないとならないのだ、と改めておもいました。
外傷など外見から判るばあいには動物病院に連れて行くなどの判断がすぐに浮かびますが、一見何ごともないように見える方が、より深刻な身体問題がおきていると考えた方がいいということですね。
まさにその時、人間が気付き行動するのか、それとも見過ごしやり過ごすのか、その判断のちがいだけで命が繋がるのか、それとも消えてしまうのか、生死が分かれてしまうのですね。

小西さん、美智子さん、ありがとうございます。

ねこまさ 2010.03.30(火) 00:47 修正

お疲れ様です、ありがとうございました!

タッちゃんのお話しを聞いていたら、ちゃまの事と重なってしまい嬉しくなってしまいました(^^)
タッちゃんもちゃまも奇跡的に救われた命であることに変わりありませんので、元気になってくれて良かったです。

ちゃまと出会ってから益々、猫は人の気持ちが分かっているんじゃないかと思うようになったんですね。
タッちゃんはこれまで苦労してきたので、より嬉しくて感謝の気持ちでいっぱいなんじゃないでしょうか。
救ってくれたことも一生忘れないでしょうね。

コメントはお久しぶりでしたが、いつも勇気ある行動と優しさに感謝しています。
それと勇気と優しさを伝えて下さってありがとうございます。

まるみ 2010.03.30(火) 21:00 修正

こんにちは!
私もにゃおみさんと同じでCREAをみてから気になってしまい、訪問させていただいております。
タッちゃんは美智子さんに出会えて本当によかったなぁと思いました。

小西さん、美智子さん、ありがとうございます。

ちゃちゃまるのママ URL 2010.03.30(火) 22:09 修正

はじめまして。

どちらに書いてよいのかわからず
場違いかもしれませんが、こちらにメッセージ失礼いたします。

先日、本屋さんで手に取った猫の雑誌で
小西修さんのお写真をはじめて拝見しました。

人間によって過酷な環境へと追いやられ
病や傷を負った猫ちゃんのお写真でした。
その中でも「ツウ」ちゃんの写真、怪我を負ったいきさつには
胸を締め付けられるような悲しい気持ちになりました。

その後この猫ちゃんがどうしているのかが気になり
美智子さんのブログがあることを知り
猫ちゃんのことを探しつつ、一つ一つ読ませていただきました。

名前はツウちゃんでオス猫のおじいちゃん猫であることや
その他ツウちゃんがどんな状況で助けられ
どんな仲間とどんな生活をしていたのか。
そしてあの痛々しい写真の真相を知ることができました。

ツウちゃんのことも含め、一つ一つの命のことを考えると
読んでいてとても苦しくなりました。
でも、これが現状なのですね。

我が家にも、昨年4月に保護した「ちゃちゃまる」という猫が居ます。
生後間もない小さな体で、他の兄弟ねこと一緒にダンボールに入れられ
山に捨てられていました。
今はもう面影をかすかに残しているかな?というぐらい大きくなりましたが、
愛情たっぷりに最後のときまでしっかりと面倒みていこうと改めて心に誓いました。

これが私にできることです。

これからも猫ちゃんたちの様子を伺いに来たいと思います。
長文、大変失礼いたしました。

やまりん Mail 2010.03.30(火) 23:07 修正

こんばんは。
タッちゃんは偶然にも、美智子さんに出会えて本当に良かったと思います。もし、会えなかったなら、お☆さまになっていたかもしれません。お話を聞いて、胸が締め付けられました。
10数年前、我が家で保護したサビ猫、今でも健在ですが、その時ことを思い出しました。
美智子さんの猫ちゃんたちに対する愛情に感謝しております。
幸せになるように、里親さんが見つかりますように。

りこ Mail 2010.03.30(火) 23:22 修正

号泣(>_<)
小西様、いつもありがとうございます!!
そして、お疲れ様です。
たっちゃん元気になって良かったです:_;
歯が痛々しいですが(*_*)瀕死の状態からここまで元気になったのは小西様のお陰ですね!引き取りたいですが、ただ今妊娠中で出産を控えていまして、先住猫も一匹います(汗素敵な里親さんがみつかりますように祈っております!

もも 2010.03.31(水) 02:48 修正

こんにちは。私は、小西さん夫婦の活動を以前テレビで見てとても気になっていました。先日猫雑誌で小西さんの撮影された、多摩川の猫達を見て、涙がとまらなくなりました。
一昨年、今にも死にそうな野良猫を近所で保護しました。それがきっかけで、野良猫の現状や、小西さん夫婦のような活動を知りました。今年、私は高三になりますが、絶対に動物看護師になると心に決めています。そして私も小西さん夫婦のように、一匹でも多くの野良猫を助けたいと思っています。
応援しています。

みぽりん 2010.03.31(水) 15:49 修正

本日なにげにCREACATを立ち読みし、小西さんのページを拝見したら怒りと悲しみの気持ちで体が固まってしまいました。「このままの私ではいけない」と思うようになりました。やりきれない気持ちでいっぱいです。
今後、捨てられた猫のことでご相談させていただくかもわかりませんが、よろしくです。

さっちん 2010.04.01(木) 20:23 修正

こんにちは。

小西さんに見つけてもらったタッちゃんは、幸せですね。貴重なひとつの命を助けて頂いてありがとうございます。

我が家にも捨て猫3匹おりますが、タッちゃんにも優しい里親さんが見つかりますように・・。

kinmokusei Mail 2010.04.01(木) 21:25 修正

ブログで紹介されていたCREACAT本屋に駆けつけて見ました。いつもは図書館とか本屋で猫ちゃん関係の雑誌は見るのを楽しみにしているんですが今回は小西さん夫妻の活動が紹介されているのですから思わず買ってしまいました。猫ちゃんの雑誌の多くは幸せに暮らしている有名人のペット紹介などが多くあまり買ってまでは見ないんですが。今回の雑誌の企画で、小西さんたちの活動が紹介されていて、初めて知ったという方々からのコメントも寄せられていてうれしくなりました。幸せな猫ちゃんの記事に癒されたり有名人や作家の猫生活の紹介もそれなりにおもしろくその記事がきっかけになりその有名人や作家に興味が持てて関連の本を探したり映画を見たりもしますし、記事の場所にも行ってみたくもなります。これからも小西さん夫妻の長年の活動をそして現に今日も続けられている活動をもっともっといろんな形で多くの人に知ってもらいたいと思います。私も毎日のようにブログを拝見しています。いつもありがとうございます。

はったん 2010.04.02(金) 16:12 修正

本日コンビニでCREAキャットを手にして唖然としてしまいました。私はこれまで外猫のことをに自由気ままに生きていけていいなあと思って見ていました。
現実との落差にショックで自分自身を恥ずかしく思いました。恵まれない猫にとって何が必要なのだろうと考え中です。

emily Mail 2010.04.03(土) 01:02 修正

小西さんの活動いつも感動します。
こんなにも猫たちのために尽くされてる方を私は知りません。
応援だけしかできませんが、お身体気をつけてください。
タッちゃんも、元気になって良かったです。

林 美千代 2010.04.03(土) 22:48 修正

黒猫ちゃん、頑張れ!これから見守らせていただきます。
我小西様、以前よりTVのドキュメンタリー等でご活動を拝見しておりましたが、今回CREAで再度拝読。
涙と怒りで切ない思いがいっぱいですが、自分に何が出来るのか改めて考えさせていただきました。自身、猫を過去地元高円寺で40匹ほど保護して現在は4匹の「余り猫ちゃん」の飼い主でJAVA会員ですが、もっと積極的に「死ぬために生まれてきた筈ではない」動物たちへ関わる意味を、行動につなげたいと思いました。
これからもささやかながら応援させて頂きます。
ご夫妻共にお体ご自愛下さい。また寄らせて頂きます。
林 拝