忙しさに追われ、なかなかご紹介できなかった猫がいます。
今日はそんな一匹の猫についてお話させて下さい。
その猫と出会ったのは去年の7月11日。いつものように自転車で多摩川に向かう途中、一軒の民家の中にある白い車が見えました。その白い車のバンパーの上に黒い物があって、私はてっきり車を拭くモップか雑巾の様に見えました。通り過ぎようとした瞬間に目を奪われました。あれは猫ではないか・・・そう思った瞬間、引き返しました。生きているのか・・・傍に寄って猫の状態を見ました。もうぐったりとしていて、かすかに呼吸をしているのがわかりました。体は骨と皮でお腹の肉もへこみ、何日も何も食べていない状態が続いている病気の猫だと分かりました。私が体を触ろうとしてるのに黒い猫はまったく目を開けませんでした。脱水と貧血を起こしていて動く気力も無いのです。細くなった腕をそっと持ちました。猫はされるがまま腕はだらりと垂れ力が入りません。腕を握って猫に話しかけました。「大丈夫かい? 生きれるかい? まだ頑張れるかい? 」すると薄目を開けました。その目はうつろで私を見ようともしません。遠くを見ていました。風邪の症状も無く、顔はきれいでした。とにかく美味しい缶詰を開けて鼻に持っていって匂いを嗅がせて見ましたが、何も反応してくれませんでした。
その日は薬箱に持参していたプロポリスがあったのでミルクに溶かしてスポイドで少しずつ口に垂らしながら入れました。明日会えたら私にできる限りの事をして一緒に頑張っていこうと思いました。
多摩川に限らず、どこでも外猫達は誰かに餌を貰いながら必死に生きています。人がお世話している猫にむやみに私は手出しをしませんが、瀕死の猫については見過ごす事はできません。
奇跡というのは本当に起きる事があります。。。。
黒猫はふらふらで起き上がるのもやっとという感じでしたが、二日目にミルクを与えた時、少しだけペロペロと舐めてくれました。口の中がかなり悪い状態かもしれないと思い、コロイダルシルバーを飲ませました。そしてa/d缶を少し口に入れてみました。ほんの少し舐めてくれました。奇跡は3日目に起きました。黒猫はミルクを飲み始めました。a/d缶にもミルクをたっぷりかけて流動食にしてみました。すると、ゆっくりゆっくり舐めるようにして自分から流動食を食べ始めました。感動と同時に嬉しさで涙が出そうになりました。まだしっかり立てない体を支え「立って、頑張るんだよ。大丈夫、私がついてるから」と祈りながら何度も言いました。そして、4日目、ガリガリに痩せた黒猫は立っていました。そして薄目が少し大きく開いて、生きる気力が出てきたのを確かに感じました。そしてだんだん黒猫は食べる量も少しずつ増えて、口の動きもしっかりしてきました。a/d缶にペット用のミルクをかけて流動食にして食べさせるというワンパターンの毎日が続きました。しかし、これが良い方向に行っている事は猫を見ていて手に取るように分かりました。黒猫はa/d缶を毎日食べ、ミルクをがぶ飲みする日が続きました。本当にみるみる体力がつき、やっと立って歩けるようになりました。よく頑張ってここまで立ち直ってくれたと感謝しました。
この猫をタッちゃんと呼んでいます。元気になって欲しい、立って欲しいと願う気持ちで一心だったので・・・立ってくれた時、思わず「タッちゃん!!」と呼んでいました。タッちゃんは女の子です。
とにかく、病気を治すため、乗り越えれる為にも体重が少しでも増えて体力がつく事だけを考えていました。食べれるようになれば体力は必ずついてきます。
機会があればこの家の人からタッちゃんの事を聞いてみようと思っていましたが、いつも留守で会えずにいました。その後に奥さんと会えてお話が聞けました。奥さんは「あなたがクロちゃんのお世話をしてくれたのですか。有難うございます。何も食べれなくなって動けなくなってたので・・・帰ってきたらもう死んでるだろうなと思ってたんです・・・そしたら元気になってたのでびっくりしたんですよ。」と言いました。
タッちゃんは5年前位に捨てられていて、この家の庭に居ついてしまったらしい。餌をくれるおばさんもいたらしいが、食べなくなってきたので諦めたらしいのです。
もう私は覚悟を決めてましたので、奥さんに「この猫のお世話を最後まで私にさせて下さい。最後まで責任を持ってお世話しますのでお願いします」というと、喜んで承諾してくれました。
タッちゃんに暖かい小屋を作って、毎日お世話してました。
タッちゃんは私が来る時間には待っていて、私の自転車の音を聞き分けて小走りで出迎えてくれるようになりました。
食欲が出て凄い食べるようになったので動きも機敏になってました。8月は良く食べ体調が良かったです。ただいずれ病院に連れて行かなければと思っていました。
そして、10月に入って、食欲がある時と時々あまり食べれない時が交互に続いていました。 私も日々多摩川のお世話で忙しく動いておりましたが、11月2日、多摩川のお世話を終えて自宅に戻り、キャリーバッグをとってタッちゃんの所へ行き、タッちゃんを病院へ連れて行きました。タッちゃんの健康状態を全て検査するための血液検査をしました。内臓関係は問題ありませんでした。
エイズ・白血病も陰性です。
問題は口の中で、手術をする事になりました。
重度の口内炎を治療しながら、そしてそれ以上に、食べれない理由は歯にありました。歯が悪いというより、原因が良く分からないのですが、ギザギザの歯根が何本も残っていて、その上から歯茎が歯を覆っているのです。物を噛む度に歯茎に埋もれてるギザギザの歯根が歯茎に突き刺ささり激痛で食べる事ができなかったのです。先生は「放っておけば死んでいたでしょう。でもミルクやペースト状のa/d缶をずっと与えていたのは正解ですね。噛まなくても食べれたのでしょう。」
タッちゃんは埋もれている歯を9本全て取り除く手術をしました。犬歯1本、臼歯1本も抜歯しました。
そして、一週間後、11月9日に退院しました。それからはびっくりする位、なんでも食べれるようになり、今はドライフードが大好きで良く食べています。最初、茶色になってた毛並みも黒々と本来の色を取り戻し、体も丸く標準体重になりました。
タッちゃんも飼い主がいませんので、幸せになって欲しいので里親募集をしております。体を触られるととても喜びます。
今現在、タッちゃんがいる家の人は引越しをされてます。まだその家は空き家なのでそこでタッちゃんは今も小屋に入って静かに暮らしています。毎日私はタッちゃんのお世話をしております。
私の家は狭くて、タッちゃんをすぐにでも保護をしてあげたいのですが、スペースがありません。今はアイヨも自宅保護してますので無理ができません。引越しをして少しでも助けたい猫を保護できる体制にしたいと2年前から考えておりますが、今の所、忙しい日々に追われ実行に移せないでおります。
とにかく、タッちゃんは毎日お世話をしております。
いつか飼い主さんになってくれる人が見つかるように努力したいと思います。
皆様には日々見守っていただきまして、温かいご支援をして頂き本当に有難うございます。
コメントも大変嬉しく励みになっています。いつも有難うございます。
小西美智子




maco URL 2010.03.28(日) 18:27 修正
美智子さん、コメントではご無沙汰しています。
でもいつも読ませて頂いております。
本当にいつもありがとうございます!!
「今はドライフードが大好きで」の一節が全てを物語っていますよね。カリカリが食べられるようになったなんて…
体を触られると喜ぶなんて、人の事好きなんですね^^
素敵な里親さんが見つかる事を心から祈っております。