お天気が不安定で、今日は夕方から雷が鳴り急激に雲行きが怪しくなって雨が降り始めましたので、作業も慌しく感じましたが、お世話を済ませて夜7時に帰宅しました。
嬉しいお知らせがあります。
コズルが河川敷から明日引越しします。
コズルの飼い主のHさん夫婦が生活保護を受けてアパートに入る事ができるようになりました。
思い返せば、本当に色んな事がありましたが、どんな時も一生懸命コズルを可愛がって大事にして守って下さってた夫婦に、こんな日がいつか来る事を願って・・・コズルとHさん達を支援していました。
詳しくはお伝えできませんが、Hさん(奥さん)は不遇な生い立ちと家庭環境で愛情を受けておりません。対人恐怖症でもあり精神的苦労を重ねて、人を頼る事もできずホームレスになってしまったのです。そんなHさんを傍で支え続ける旦那さんは本当に優しい人で二人で頑張って生活しておられます。
私は深く事情を聞いたりなど一度もした事はありません。お会いする回数を重ねてきて、私を信じて下さって自然に口を開いて下さったのです。
Hさんは私を姉のように慕ってくれて、「お姉ちゃん、いつもすみません。本当に有難うございます。」と言ってくれます。
私も彼女に会う度に妹のような気になってしまいました。
ある時、私が訪ねたらコズルの缶詰があと2個しか無かった時は辛そうにしていました。お金が無くて自分も食べてなかったのです。私の支援が間に合って少しでも助ける事ができてホッとしました。涙を流してお礼を何度も言って、「泣いたりしてごめんなさい」と言ってました。堪えてた涙が出てしまうのは本当に苦しいからです。私は、良かった・・・本当に間に合って良かったと心底思いました。
ホームレスさんが生きる為にお金を稼ぐ事がどんなに大変で厳しい事なのか・・・河川敷で暮らす人にしか本当の辛さは分かりません。
今回、生保を受けるきっかけとなったのは、Hさんが7月6日にお腹の激痛に耐えられなくなり、ついに救急車を呼んで緊急手術で入院となったのです。Hさんは芯の強い人で、我慢強く辛抱する人です。今年に入ってお腹の痛みが何度もあって寝れない日々を私が差し上げた痛み止めの薬で我慢を繰り返してたそうです。この日は救急車を呼ばなければ危険な状態になってたのです。
手術は無事に成功して、彼女も今は元気な笑顔を取り戻してました。何も言わないのに、私に手術で縫った大きな傷痕を見せてくれました。もっと早く病院に行けたらこんな・・・と思いますが、
ここで暮らしている人達は皆、「病院に行きたくてもお金が無いから」と・・・本当に生と死と隣り合わせの辛い思いをしているのです。助かってくれて・・・本当に良かった・・・。
きっとコズルのお蔭かもしれないと思いました。
コズルは手の上に乗る位の子猫の時に捨てられているのを発見して、痩せている子猫を見てこのままでは死んでしまうのではと思ったHさんは放っておけなくて、食べさせて助けるために飼う事にしたそうです。
今、コズルが立派に育って生きているのは間違いなく、この夫婦のお蔭だと思います。たとえ、その場所が河川敷であろうとも愛情かけて必死にお世話して命を守ってきたのです。私は感謝しています。
「あなた達の様な人は猫を飼ってはいけない。病院に連れて行く事もできないんだから」とボランティアに言われ酷く傷ついた時もあったそうです。だから、私の事も最初は不安だったと思います。でも私はそういうボランティアがいる事に情けない思いでいっぱいになり、傷ついたホームレスさん達にも謝っています。
コズルは夫婦だけに馴れていますので、他の人は絶対に触る事はできません。私に一度だけ少し触らせてくれたコズル・・・
「他人に触らせるのは後にも先にも小西さん一人です」と言ってくれて、とても感謝しました。
私はこのご夫婦と知り合って、これもご縁を強く感じています。
そして、信頼関係ができた事にとても感謝しています。
そのコズルも6歳です。
コズルを連れて一緒に新しいお家に引越しするので、その前に23日に支援物資とキャリーバッグ持って行きました。コズルのこれからの幸せのためにも去勢手術をさせてもらえないかと相談に行きました。
猫の飼い方の心配や不安に対して、優しく解り易く説明させていただきました。私に費用の負担をかける事を気にしておられましたが、最後の私からの気持ちです。できる限りの事をコズルの為にさせて頂けたら私も嬉しいです、と言いましたら、お二人は本当に喜んで納得して了承して下さいました。
28日、コズルを病院に搬送しました。生れて初めての病院です。コズルはお漏らしをして鳴きましたが、その後は本当に辛抱して頑張ってくれました。コズルは頭が良くて人の会話によく返事をしています。搬送当日は何かを察知して何も食べなかったそうです。なので当日の夜に去勢手術をする事ができました。
病院では、フロントライン、プロフェンダーをして駆虫をしました。私からの気持ちでコズルのために腎臓や肝機能の血液検査、そしてエイズ・白血病検査もして頂きました。体は異常も無く正常範囲の数値でした。ただ残念ながらエイズは陽性でした。
無事に去勢手術も終わって爪切りもして、ワクチン接種もして
29日夕方退院、お迎えに行きました。電車の中でもコズルは静かに鳴く事も無く耐えてくれました。
心配で心配でコズルが無事に帰って来るようにと心待ちしてる夫婦の気持ちは私には手に取るように分かるので、私が自転車でコズルを早く届けるために多摩川土手に上がって進んでいると、、、
見えました!! 遠くに小さく見えるコズルの小屋の前で、こちらの方角をずっと見て立っている夫婦の姿がありました。
コズルを待っている夫婦の姿を見て私も目頭が熱くなりました。
コズルは幸せです。コズルがどんなに愛されているか、
この夫婦とコズルの絆を見れば分かります。
ずっと我慢してたコズルは到着して夫婦の声を聞いた途端、大きな声で鳴きました!!
コズルはすぐに落ち着いて毛づくろいをしていました。
夫婦は何度も頭を下げてお礼を言って下さりました。
これで安心しました。コズルと一緒に安心して幸せに暮らして下さいと言いました。また連絡を取り合う事もできますので、いつかまた幸せになったコズルに会えたらと思います。
このご夫婦とコズルの幸せをいつまでも応援しています。
皆様、温かく見守って下さって本当に感謝しています。
まだまだご報告をしなければならない事がたくさんありますが、
毎日時間に追われるお世話が続いています。また必ずご報告します。
小西美智子


I.M. 2011.08.01(月) 08:53 修正
屋根と壁のある家での暮らしは、やはり安心。
苦しい毎日の中で、コズルを家族として支え合う姿。
命を河川敷に遺棄する人達に是非とも教えてあげて欲しいです。
小西ご夫妻も今まで暖かく、付かず離れずで見守って下さりありがとうございました。